オピオイド換算表

オピオイドの使い方を自分で覚える理由

全部ペインに頼めばいいじゃんって考えもあるとは思います。でも全身管理のある科にいれば、癌の患者さんは来ます。痛いのは早く抑えてあげたいですよね。用量を簡単にでも覚えていると、都度ペインの先生に相談するより速く対応できて良いです。良性疾患の鎮痛にも時々使っていますが、悪い思い出を残さないことで今後の話をスムーズに進めるのにも役立ちます。

換算表

モルヒネp.o.3060120240360
アンペック(モルヒネs.p.)204080160240
オキシコンチン204080160240
フェントス124812
デュロテップ2.14.28.416.8
ナルサス612244872
ノルスパンテープ510x
レペタンs.p.0.61.2x
タペンタ100200400x
コデイン180x
トラマール150-300x
< i.v. & s.c. >
モルヒネ153060120180
オキファスト153060120180
フェンタニル0.30.61.22.43.6
ナルペイン1.22.44.89.614.4
レペタン0.51x
オピオイド換算表

*レスキューは内服では1日量の1/6、駐車では1(~2)時間分

*ペチジン1A=フェンタニル1A(0.1mg)=モルヒネ5mg ぐらいです

最低限覚えるセット

私はフェンタニル3A=フェントス1mg=オキシコンチン20mg=アンペック20mgしか覚えていません。私が使っているのはほとんどフェンタニル注とフェントステープ、オキノームで、たまにオキシコンチン(←内服で導入するとき)とアンペック(←末期の在宅のレスキュー)が加わります。それで大体まわります。最適解は勤務先の文化や採用薬によって変わってくるはずです。例えば呼吸器だとモルヒネやオキシコンチンをもっと使ってる気がします。私は飲み薬は具合が悪くなったら飲めなくなるかもしれないから、なるべく避けています。(”by mouth”が言われ始めたのはフェンタニルパッチがない頃で、フェンタニルパッチでかなり状況は変わったと思っています。)

モルヒネ

✅ 副作用(鎮痛以外の作用)が多い

 → 呼吸困難感の軽減や下痢を止めたい時に有用

✅ 剤形が豊富 座薬や液剤がある

 → 内服困難だがラインもない時のレスキューとして在宅では最後の砦となる

❌ 副作用(鎮痛以外の作用)が多い

 → 吐き気や便秘が出やすい

❌ 腎障害時に蓄積しやすい

フェンタニル

✅ 副作用が少ない

 → 吐き気や便秘がほぼない 制吐薬や下剤があまり要らない 考えることが少なくて一番楽

✅ 貼付剤がある

 → 薬が飲めなくなっても使える

✅ 腎障害時も蓄積しない

❌ 内服がない

 → レスキューとしては使いづらい(レスキュー用にアブストラルやイーフェンといった口腔粘膜吸収製剤があるが、使い方が複雑で、体調が悪くてあんまり余裕がない人たちに使いづらい)

 → フェントスは効き目が遅いので原則導入時には使えません。フェンタニル注を使うか、外来なら他の内服オピオイドで導入してからフェントスに変更するので手間がかかります

❌ 大量に使うと天井効果があるらしい?

あまり実感していませんが、本当に大量の時はモルヒネなどに効果が劣るとの記載も見かけます。先に骨転移や神経叢浸潤などのオピオイドが効きづらい病態を考えた方がいいとは思います。

オキシコドン

✅❌ 副作用はモルヒネより少なくフェンタニルより多い 

✅ 腎障害低下時でも比較的安全

いちばん使ってる先生も多いんじゃないかなと思います

オピオイド以外にできること

✅ 骨転移 → NSAIDsや放射線

✅ 神経叢浸潤 → 鎮痛補助薬や放射線、神経ブロック

結局放射線やブロックのような非薬物療法は、効く効かないの差が激しいですが、副作用少なくそこそこ効くこともよくあります。

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